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モーツアルト:Adagio Quasi Fantasia(未完) バイオリン・ピアノ (IMC)

IMC-3624 MOZART:Adagio Quasi Fantasia vl.pf. KV.396(K6 385f)

♪この楽譜について

《作品と完成》
 モーツアルトの1782年の素晴らしい未完の作品の一つに「幻想曲 ハ短調 
Fantasia in c-minor」と呼ばれている見開き2頁の作品があり、もしそれが完成
されていれば最上の代表作の一つになったであろう。
 しかし、モーツアルトは1ダースほどの他の断片と共にそれには目もくれず、
そのままこの曲はファイル・キャビネットで呼び声高い出番を待ち続けていた
のである。
これはその後何年もたって再構成され多くのことが変えられた。

 1791年12月のモーツアルトの思いがけない死後、彼の未亡人コンスタンツェは
自分自身と二人の子供の生活を支えるため夫の未出版の手稿譜を元に収入を得ようと
思いついた。
 多くの友人の援助と共に、1809年彼女の再婚相手となったデンマークの外交官
であり音楽史研究家のゲオルグ・ニコラウス・ニッセン「Georg Nikolaus Nissen)
の特別の援助を得てモーツアルトの作品のうちわずかな数をいくつかの出版社に
売り渡すことが出来た。
 出版社が楽譜の断片などには興味を示さないことにコンスタンツェはすぐに
気づいたが、それでも彼女は、数々の断片に詰まっているモーツアルトの着想は
特に他の作曲家たちにとって価値のあるものだと説得した。

 1799年6月15日、彼女はブライトコプフ(Breitkopf)に次のような手紙を送った。
「有名な作家達-例えばLessing-のとても短い断片ですら出版されているでは
ありませんか。それらは常に有益で、
その思想は他の人々に使われ完成され得るものです」

 1800年5月31日、アンドレ(Andre)にはこのように書き送っている。
「私はこれらの断片を注意深く保存していこうと思っていますが、私の息子が
いつの日かこれらの断片を無用の物と思う日がきたら永久に使われなくなって
しまうでしょう。ですからこれらを一つのコレクション(曲集)としてまとめて
いただければ、あらゆる人の好奇心を満足させることが出来ると思うのです。
 しかし、コンスタンツェは用心し、同じ手紙の中で幾つかの断片はもう既に
完成された作品になっているので、それについてはAndreに金銭的な負担は
掛けないと保証し「私利私欲のない友人の一人が純粋にモーツアルトへの愛情と
芸術と私のために幾つかの断片を完成させてくれたおかげで私はいくらかその
利益を得ています」とも書いている。

 「ファンタジア ハ短調」とその他幾つかの作品に関してはコンスタンツェは
親密な関係の中でも最も成功を収めている人として、著名な作曲家であり
音楽史研究家でもあるAbbe Maximilian Stadler(1748-1833)に依頼した。
彼は何年間にもわたってモーツアルトと親交がありモーツアルトを高く賞賛
していた。

 1833年のStadllerの死亡記事の中でMosel は次のように記している。
「彼はモーツアルトに対して大きな果てしのない尊敬の念を持ち、ほんのわずかの
人だけにしか出来ないほどの深い理解を示していた。
モーツアルトの作品を演奏する時、彼は大作曲家の息づかいを感じ、それによって
どんなに元気づけられるかがよくわかっていた」

 1829年の自伝の中の逸話としてStadlerはこのように記している。
「自由なファンタジーの技法においてモーツアルトに匹敵するものはない。
彼のインプロヴィゼーションはまるで今、目の前で書き下ろしたかのように
整然としている」
 Stadlerはモーツアルトの作品、ファンタジー風ソナタ“Adagio Quasi Fantasia"
から自由勝手に作品を作り出すことはしなかった。それは彼がよく知り、愛していた
モーツアルトへの思い出がより大きかったからだろう。
しかしながらStadlerが一つだけ省いたのはバイオリン・パートだった。

《再構成》
 モーツアルトがハ短調のファンタジアをバイオリン・ソナタと考えていたことは
明らかだが、完成されたものがない以上その証拠となるものは何もない。
残念ながらモーツアルトはバイオリン・パートをわずか5小節(23〜27小節)書いた
だけなのでStadlerは時間的な理由からバイオリンの旋律を無視することを余儀なくされ
それを装飾形式でピアノ・パートに取り入れることにした。

 我々はStadlerのようなプレッシャーもなくコンスタンツェへの義理もないので
モーツアルトが書いた現存する5小節のバイオリン・パートを復活させ、残りの部分は
モーツアルトとStadlerの豊かに構成されたピアノ部分(1〜22、28〜72小節)から
抜き出した。
 そこに書かれている完璧な3声の対位法のおかげで多くの旋律(5、7〜9、11〜18、
25〜27、48〜60、70〜72)を全体を通じて自然に2つの楽器の為に作り換える事ができた。

 実際この作品を演奏していただければバイオリンの存在によってピアニストとしては
かなりゆったりと寛いだ気分で演奏できると言うことに気づいていただけるだろう。
                    (K.Cooper/O.Bagley)

《初演》
 この作品の初演は2006年8月7日マサチューセッツ州グレート バーリントンの
Searles Castlesで行われたコンサート。
プログラムのタイトルは“The Vienna Frangments(ウイーンの断片)”
演奏はこの作品を再構成したKenneth CooperとMarjorie Bagaley.






商品名 : モーツアルト:Adagio Quasi Fantasia(未完) バイオリン・ピアノ (IMC)

価格 : 7,975円 (税込)

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