Esta Edition1038-BIBER:Passacaglia/vl.(Max Rostal編)
♪ハインリッヒ・イグナツ・フランツ・フォン・ビーバーについて
Heinrich Ignaz Franz von Biber(1644-1704)は
ボヘミア出身のオーストリアの音楽家。
ヴァイオリンの名手としてザルツブルク大司教の宮廷に仕え、
楽長の地位につき、皇帝レオポルト1世から爵位を授けられた。
J.P.Westhaff(1656〜1705) と共にドイツヴァイオリン音楽の
本当の意味での
芸術的価値を持った音楽を書いた最初の人と言われている。
バッハはビーバーの死後16年目に“無伴奏ソナタとパルティータ”を書いた。
この
パッサカリアはバッハの“無伴奏ソナタとパルティータ”の
先駆的な物となったと言われている。
♪この曲の特徴
この曲は1676年頃にザルツブルグで作曲された
『15のロザリオのソナタ(マリアの生涯のための15の秘蹟の為に)とパッサカリア』
の16曲目の曲。
16曲の中のこの曲のみ無伴奏バイオリン。自筆譜一曲づつに銅版画が
添えられ、このパッサカリアには「守護天使と幼子」の銅版画が
添えられてザルツブルグ大司教に献辞された。
15の秘蹟を受けた満足感が16曲目のパッサカリアで表現されている。
♪この楽譜の特徴
PWM版との大きな違いは
・より自然に聞こえるBowingである。
・和音の弾き方や音形の区切りなどの指示が具体的に細かく書かれている。
・終結部にPWM版との大きな違いがある。
PWM版は休みが入っているので余程残響が豊かなホールか銘器、名手でないと
せっかくの盛り上がりに空白が生じてしまうが
Rostal版では終結部は休符を入れず自然に埋めてあるので
同じ音形を積み重ねて来た曲として、盛り上がり続けるままに曲が終わる。
詳しくはこちらをご覧下さい。
↓
http://hantanyannyan.blog58.fc2.com/blog-entry-361.html
♪同時にお勧めしたい曲
こちらはキリスト誕生が題材の曲ですが、
パッサカリア同様、軽くない宗教色の強いものです。
http://www.kamakura-musica.com/shopdetail/005009000003/